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喘息(ぜんそく)の薬

喘息治療薬の種類

喘息治療薬喘息(ぜんそく)の治療薬としてよく使われているのは、大きく分けて炎症を抑える薬であるコントローラー(長期管理薬)と、気道を拡げる薬であるリリーバー(気管支拡張薬)の2種類があります。

コントローラー(長期管理薬)には、ステロイド薬抗アレルギー薬抗ロイコトリエン薬など)があり、リリーバー(気管支拡張薬)には、β2刺激薬テオフィリン製剤抗コリン薬があります。

吸入ステロイド薬

吸入ステロイド薬というのは、文字通りステロイドを吸入して直接炎症をおこしている患部(気管支)薬を届かせ、炎症を抑えます。そのため、薬の量も経口薬に比べて1/100~1/1000程度の量で効果を得ることができます。

ステロイドと聞くと副作用の心配をされる方がおられると思いますが、正しい使い方をすれば副作用についてはまったく心配はいりません。

現在、気管支の炎症を抑える薬としてはステロイドがもっとも広く使われています。ステロイドは強力に炎症を抑えますが、内服薬や点滴薬の場合は、いろいろと副作用があり、あまり長期間使うのは好ましくありません。

喘息治療に用いられる吸入ステロイド薬は副作用はほとんどないしかし、「吸入ステロイド薬」は、点滴や内服薬のように体中を回ってから肺、気管支に到達するのではなく、吸い込むことで直接肺、気管支に到達して作用します。

点滴や内服のステロイドに比べて、副作用が大変少なく、また他の薬に比べて効果がすぐれている点から、現在は広く使われています。

ですので、吸入ステロイド薬は、正しい使い方さえ守れば、副作用の心配もほとんどなく、安心して長期間使用することができます。

長期間使用したからといって、効きが悪くなったりすることもありません。

喘息患者の気道は、症状がなく安定しているときでも気道に「炎症」が起きていて、刺激に対して常に過敏になっています。そのため、花粉や黄砂、ホコリ、タバコの煙などを吸い込んだり、天候の変化、かぜやインフルエンザ、疲労などが加わると、それが刺激となって気道が縮み、空気の通り道が狭くなって、咳込んだり息苦しくなったりします。

気管支拡張薬は狭くなった気道を広げる効果があるので、こうした症状が起きたときに気管支拡張薬を使えばおさまります。しかし、気管支拡張薬には炎症をしずめる働きはないので、症状がおさまっても喘息の根本である「気道の炎症」は残ったままです。

一方、吸入ステロイド薬には炎症をおさえる効果があるので、気道の炎症をしずめ、刺激が加わっても症状を起こすことのない安定した状態にみちびくことができます。

また、症状をくり返していると、しだいに気道の粘膜が荒れ、気道の壁も厚く固くなり、喘息は重症化していきます。医学用語ではこれを「リモデリング」といいますが、吸入ステロイド薬をきちんと続けていると、リモデリングも防ぐことができます。

吸入ステロイド薬の種類最近では吸入ステロイド薬の種類が増えてきました。その1つが、吸入ステロイド薬と気道を広げる作用をもつ長時間作用性β2刺激薬を1つの吸入器に一緒に配合した薬剤です。効果の出かたには個人差がありますが、配合剤は効果の発現が早く、喘息患者が効果を実感しやすいという特徴があります。

吸入ステロイド薬には、喘息発作を予防する治療薬としてフルチカゾン(商品名:フルタイド)、ベクロメタゾン(商品名:キュバール)などがあります。

抗アレルギー薬(抗ロイコトリエン薬等)

抗アレルギー薬は、特に小児喘息でよく使われますが、アレルギー反応を押さえる薬です。アレルギー反応の種々の過程を抑えることにより、喘息発作を予防するものです。

アレルギー性の機序で起こる喘息の場合、ダニなどの抗原が入って抗原抗体反応が起きても、化学遊離物質(ヒスタミン,SRSAなど)が肥満細胞などの細胞からはじけて外に出るのを抑える働きにより予防効果が期待できる薬です。

アレルギーを引き起こす化学物質の中でも、ロイコトリエンは炎症や気道の収縮に関わっています。そのため、ロイコトリエンの働きを抑えることによって喘息を治療することができます。

ただし、喘息治療としての抗ロイコトリエン薬長期管理薬(発作を予防する薬:コントローラー)としてのみ使用されます。他にもケミカルメディエーター遊離抑制薬を使用することによっても喘息発作を予防することができます。

主にヒスタミンの働きを抑える薬が抗ヒスタミン薬ロイコトリエンの働きを抑える薬が抗ロイコトリエン薬です。ケミカルメディエター遊離抑制薬は、これらの化学伝達物質全体を出しにくくする作用を持つ薬ですが、効果は、他の抗アレルギー薬に比べると比較的マイルドです。

抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬の違い

抗アレルギー作用によって喘息の治療薬としてモンテルカスト(商品名:シングレアキプレス)、クロモグリク酸(商品名:インタール)などがあります。

気管支拡張薬・β2受容体刺激薬

運動時などに興奮する神経として交感神経があります。交感神経にはα受容体やβ受容体が存在しますがその中でも、この時の気管支拡張作用に関わっている受容体がβ2受容体です。

つまり、運動時に交感神経が興奮して空気を取り込みやすくなる作用は、気管支に存在するβ2受容体が活性化しているために起こっているのです。

そのため、このβ2受容体を薬によって刺激することで気管支を拡張し、空気を通りやすくさせることができるのです。

なお、β2刺激薬は「長期管理薬(発作を予防する薬:コントローラー)」か「気管支拡張薬(発作を和らげる薬:リリーバー)」によって二種類に分けることができます。

長時間作用が持続することによって喘息発作を予防するβ2刺激薬LABA(Long Acting β2 Agonist:長時間作用性吸入β2刺激薬)と呼びます。

それに対して、短時間で素早く効果を表すことで喘息発作を和らげるβ2刺激薬SABA(Short Acting β2 Agonist:短時間作用性吸入β2刺激薬)と呼びます。

このように、β2受容体刺激薬は「どれだけ長時間β2受容体を刺激することができるか」また「β2受容体を刺激する作用がどれだけ早く表れるか」などによって使い分けられます。

長時間作用することによって喘息発作を治療するβ2受容体刺激薬としてはサルメテロール(商品名:セレベント)、ホルモテロール(商品名:シムビコート)、ツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)などがあります。

また、短時間だけ素早く作用することによって喘息発作が発生した時の症状を和らげる薬としてサルブタモール(サルタノールベネトリン)、プロカテロール(メプチン)などがあります。

テオフィリン製剤

かつて吸入ステロイド薬がまだ普及していなかったころ、喘息治療の中心だった薬としてテオフィリンと呼ばれる薬があります。なぜこの薬が喘息治療に使用されていたかと言うと、「気管支を広げる作用(気管支拡張作用)」と「炎症を抑える作用(抗炎症作用)」を併せ持っていたためです。

ただし、治療域が狭かったり、薬が代謝される過程の個人差が大きかったりとデメリットもある薬です。現在では徐放性テオフィリン製剤として、ゆっくり溶け出すことによって喘息発作を予防する薬として使用されています。

このように、ゆっくりテオフィリン製剤を溶け出させることによって喘息を治療する薬としてテオフィリン(商品名:テオドールテオロング)などがあります。

抗コリン薬

交感神経の反対の働きをする神経系として副交感神経があります。この副交感神経の働きとしては、食事をしている時など体を休めている時にリラックスしているときに強く働きます。

この時であると、食事を取ることによって胃や小腸の動きが活発となり、体を休めているために血圧も下がっています。

また、運動時などでは空気を取り込みやすくするために気管支が拡張しているが、体を休めている場面ではこの逆に気管支が収縮しています。つまり、気道が狭くなっているのです。

副交感神経が興奮すると、このように気道が狭くなるなどの作用が起こります。この副交感神経の興奮に関与している物質としてアセチルコリンがあります。このアセチルコリンの働きを阻害する薬を抗コリン薬と呼びます。

喘息治療における抗コリン薬の働き

副交感神経が興奮すると気管支が収縮するため、抗コリン薬はこの反対の作用として気管支を拡張させる作用があり、その作用によって、喘息を治療することができるのです。

アセチルコリンの働きを抑えることによって気管支を拡張し、喘息を治療する薬としてチオトロピウム(商品名:スピリーバ)、グリコピロニウム(商品名:シーブリ)などがあります。

ステロイド薬 + β2受容体刺激薬

喘息治療を行う上で発作を予防することはとても重要です。この喘息発作を予防する薬としては主に吸入ステロイド薬長時間作用型のβ2受容体刺激薬が使用されます。

そこで、このステロイド薬β2受容体刺激薬を最初から配合させた吸入薬もあります。この吸入薬を服用することで、ステロイドによる抗炎症作用とβ2受容体刺激薬による気管支拡張作用を同時に得ることができるのです。

このように、ステロイド薬β2受容体刺激薬の二つの薬を配合させた医薬品としてフルチカゾン・サルメテロール(商品名:アドエア)、ブデソニド・ホルモテロール(商品名:シムビコート)などがあります。

一般名

商品名

薬理作用

フルチカゾン フルタイド ステロイド薬
ベクロメタゾン キュバール
モンテルカスト シングレア

抗アレルギー薬
(抗ロイコトリエン薬など)

キプレス
クロモグリク酸 インタール
サルメテロール セレベント

β2受容体刺激薬
(長時間作用型:LABA)

ホルモテロール シムビコート
ツロブテロール ホクナリンテープ
サルブタモール サルタノール

β2受容体刺激薬
(短時間作用型:SABA)

ベネトリン
プロカテロール メプチン
テオフィリン テオドール テオフィリン製剤
テオロング
チオトロピウム スピリーバ 抗コリン薬
グリコピロニウム シーブリ

フルチカゾン・
サルメテロール

アドエア ステロイド薬 + β2受容体刺激薬

ブデソニド・
ホルモテロール

シムビコート

コントローラーについて

気管支拡張薬のように、発作の治療に使うのではなく、発作の予防のために、普段から使っておく薬のことを「長期管理薬=コントローラー」といいます。

大人の場合、コントローラーといえばまず吸入ステロイドのことを指します。

そのくらい、効き目と副作用の少なさの点で他の薬を圧倒しています。

他にコントローラーに含まれるのは、抗アレルギー薬テオフィリン系薬があげられます。

子供の場合、あまり小さいとステロイドを与えるのは何となく抵抗がある、ということから、コントローラーには抗アレルギー薬テオフィリン系薬が選ばれることがこれまでは多かったのです。

しかし最近改訂された小児喘息ガイドラインでは、「喘息早期に使用することでリモデリングを予防できる」「2歳以上の小児に対しコントロール、重症度に応じて使用すべき」と明記されています。

コントローラーは、必ず定期的に使用する必要があります。

調子がよいからといって、自分の判断で止めては絶対にいけません。

リリーバーについて

コントローラーに対して、発作時に使用する薬を「気管支拡張薬=リリーバー(レリーバー)」といいます。

気管支拡張薬がこれにあたります。気管支拡張薬は別名、β(ベータ)刺激薬といい、吸入して速やかに効果が出ます。

また、上にあげたテオフィリン系薬も気管支拡張効果があり、リリーバーとして用いられることもありますが、内服薬ですので効果が出るのには少し時間がかかります。

例えば、小さい子供や高齢の方で吸入がどうしてもうまくできない、という方に使います。

ピークフローについて

ピークフローメーターで気管支の状態を測るピークフローとは、力いっぱい息をはき出したときの息の強さ(速さ)の最大値のこと。つまり、はく息の“瞬間最大風速”です。

このピークフローの値を測ることで、息苦しさや発作のあるなしにかかわらず、気管支の状態を客観的に知ることができ、医師にとっては治療方針の確認、患者さんにとっては日常管理の指針になります。

ピークフローの測定には、ピークフローメーターという器具を使います。

ピークフロー値を毎日決まった時間に測定して記録することで、気道の状態を把握することができます。

そして、喘息の悪化もいち早く知ることができるため、適切に対処できるのです。

現在の喘息治療は、喘息発作を未然に防ぐ予防治療が中心です。

しかし、最も身体に優しくて安全な予防方法は、薬を使わずにアレルギー体質そのものを改善することです。

喘息完治まで持っていくには、アレルギー体質を改善して、自然治癒力を回復させるしかありません。

喘息を治すのは、あくまでも自分自身の自然治癒力であって、決して医師や薬剤師、薬ではないのです。

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