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喘息(ぜんそく)の治療

喘息治療の基本

喘息は、遺伝因子と環境因子が絡んだ病因が不明な病気です。喘息体質と一括されていますが、現代医学においては、いまだ根本的に治癒させる治療法はありません。

現在、最善の喘息治療は、気管支の炎症を起こして気管支を収縮させる原因やアレルゲンを除去すること、薬物療法により気管支の炎症を抑えて気管支を拡張し、気流制限と過敏性を改善して日常生活と肺機能を正常化し、患者のQOLを高めることです。

一方で、この体質を変えようとする治療法も昔から試みられてきました。その一つがアレルギー性喘息に対する免疫療法(減感作療法)です。アレルゲンを定期的に患者に注射し、患者のアレルゲンに対する反応を変調させること(体に一種の慣れを作る)により喘息を改善するという治療法ですが、すべての患者に有効なわけではありません。

最近、人の全遺伝子の解読が終わり、その塩基配列が発表されたところですが、多くの遺伝子が関係している喘息体質の実態が明らかになれば発病を予防したり、アレルギー体質そのものを根本的に改善したりする治療法が生まれるかもしれません。

喘息の治療は予防が大事

喘息には、「症状が起こらないように毎日行う予防治療」と「起こった発作を鎮静化させる治療」の2つがあります。

そのため、喘息の治療薬として、
発作治療薬(レリーバー):おこった発作を鎮静化させる
長期管理薬(コントローラー):発作を予防するために毎日続ける
2種類の治療薬に大きく分かれます。

発作治療薬は発作があった時にだけ使用する薬で、長期管理薬は毎日続けて服薬するものになります。

コントローラー(長期管理薬)には、抗炎症作用のある吸入ステロイド薬、気管支拡張作用のある長時間作用性吸入β2刺激薬、その2つの薬剤を一緒に吸入することのできる配合剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤、抗IgE抗体など多数あります。

発作が起きたときに使われる治療薬にはおもに短時間作用性吸入β2刺激薬を用います。

コントローラー(長期管理薬)による治療

現在の喘息治療の現場では発作が起こらないようにする予防治療がより重要視されています。

症状が起こらないようにするには、慢性の気道の炎症をおさえることが重要です。基本の治療薬は、「吸入ステロイド薬」で、炎症をおさえる効果が高い治療薬です。

最近は、この吸入ステロイド薬と、気道を広げ呼吸を楽にする長時間作用性β2刺激薬が一緒に吸入できる配合剤も使用されることがあります。

また、吸入ステロイド薬や配合剤などによる治療を毎日行うと同時に、症状のひき金となる刺激やアレルゲンを避けることも大切です。体調や室内の環境を整え、禁煙や十分な睡眠など生活習慣の改善や風邪をひかないよう心がけましょう。

レリーバー(発作治療薬)による治療

一方、症状が起きた時は、それをしずめることが最優先なので、狭くなった気道をすみやかに広げる気管支拡張剤などの発作を抑える薬を使います。

気管支拡張剤にも色々な種類がありますが、先ず最初に使われるのは【β刺激剤】という薬です。(メプチン・ベネトリンなど)

この薬には気管支の周りの筋肉をゆるめる働きがあり、ネブライザーを使って吸入すると楽になります。(外出先などでは、メプチンエアーなどスペーサーを使って吸入する方法もあります。)

こうした処置をしてもよくならないときは、中発作か大発作で、その時はアミノフィリンと言う成分の薬(商品名ネオフィリンなど)の点滴や静脈注射をします。

これも気管支拡張剤です。

家庭では内服する事もありますが、(テオドール・テオロングなど)点滴や、静脈注射をすると、内服より効き目が早く現れます。

同じ成分の座薬もあり、(アルビナ)座薬は内服より早く吸収される為これを使う事もあります。

この治療薬は体重によって使う量が決められますが、量が多いと嘔吐などの強い副作用がでます。

重症喘息では、血中濃度を確認して、適当な量を体にいれる工夫もされます。

アミノフィリンは大発作の時でも効き目はありますが、場合によってはそれではよくならないこともあります。

そういう時には、ステロイド薬を点滴したり、静脈注射したりします。

喘息の発作を未然に防ぐという予防目的で主に使用されるのがステロイド薬、特に副作用が少なくて効果的なのが吸入ステロイドです。

ステロイド薬には、直接気管支を拡張する働きはありませんが、気管支の中に起きている炎症を予防する効果があります。

ところで、こうした発作はきちんと治療すればよくなるのですが、薬は発作が治まっても飲み続けることもあります。

すっかり治ったように見えても、気管支の中の炎症がまだ完全に治まっていない過敏状態にあり肺機能も低下しています。

こういう時はちょっとしたきっかけで、発作を起こすからです。

喘息治療ガイドライン

喘息の症状が続くと、他の慢性疾患と同じく患者の日常生活が影響を受け、肉体活動、精神活動および社会活動が妨げられ、患者が幸せな満足のいく生活や人生が送れなくなります。

すなわち生活の質、生命の質(QOLと言います)が悪くなります。このQOLを向上させるには、病状をコントロールし、発作のない状態を保ち、正常な肺機能を維持し、健康な人と変わらない日常生活ができるように適切な自己管理を行うことが大切です。

自己管理とは、医師との対話を通じて喘息という病気や治療法を良く理解し、自分の喘息の状態とピークフローの測定値の変化に自ら適切に対応して急性発作や増悪を予防することです。医師からの指導を守るだけではなく、自分の健康は自ら守るという積極的は取り組みが重要です。

喘息の重症度に応じた治療

自分の喘息の症状がどの程度悪いのか知ることは、喘息治療する上で極めて重要です。それによって治療方法も変わりますし、対処によってはこの後の喘息の経過・予後も決まると言っても過言ではありません。

喘息の重症度は、「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン」(協和企画、2010)を参考にするのがいいでしょう。喘息の重症度を症状の程度とピークフローの測定値から4段階に分けています。治療はこの重症度に合わせて段階的に軽い内容から重い内容に変わります。

●ステップ1(軽症間欠型):

喘鳴、咳、呼吸困難が間欠的で短く、週1~2回おきる。
夜間症状は月1~2回
ピークフロー値は自己最良値の80%以上、日内変動率は20%以内

●ステップ2(軽症持続型):

症状が週2回以上、月2回以上日常生活や睡眠が妨げられる
夜間症状は月2回以上
ピークフロー値は自己最良値の70~80%、変動率は20~30%

●ステップ3(中等症持続型):

症状は慢性的、週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる
夜間症状は週1回以上、吸入β刺激薬の頓用が毎日必要
ピークフロー値は自己最良値の60~70%、変動率は30%以上

●ステップ4(重症持続型):

症状が持続、しばしば増悪、日常生活が制限され夜間症状も頻回
ピークフロー値は自己最良値の60%未満、変動率は30%以上

※ 日内変動率とは、ピークフロー値の変動する割合のことで、大きいほど症状が不安定ということです。

ピークフロー値の目安

ピークフローメーター成人の喘息は、治療しなくても症状がない状態(寛解)になることもありますが、高血圧や糖尿病のような慢性疾患と同様に、喘息も医師の指導を受けて自己管理することが大切です。

普通、喘息は外来診療が中心ですので、診察日以外は、日頃自分で喘息の状態を管理し発作の予防と速やかで適切な対処を心掛けねばなりません。それには患者が自分自身の喘息の重症度と増悪因子を判断することが必要です。

そのため、喘息日記を記入して喘息発作の強さと回数を知り、さらに肺機能を客観的に評価するため自分で携帯用ピークフローメーターを使ってピークフロー値を測定します。

これらの記録をみて医師はその後の治療の方法や指導の計画が作成でき、患者は自分自身の症状と薬剤の効果を実感できるのです。

ピークフローの値は、喘息の発作症状が出るより2~3日前に下がることもまれではありません。その場合にはたとえ発作を感じなくても治療薬を増量あるいは早めに使用するようにします。

また、喘息歴の長い患者は、良い状態と見えてもピークフローは予測値の半分ということがあります。これは、肺機能の低い状態に慣れて呼吸困難を感じなくなっているのです。重症化しやすいので適切かつ充分な治療を必要とするケースです。

自己管理の目安としてピークフローの測定値が予測値あるいは自分の過去の最良値の80%以上かつ一日の変動率が20%以下であればコントロール良好で安心できます。50~80%は要注意で治療の追加が必要ですし、50%未満は緊急事態ですので直ぐ医師に受診する必要があります。

喘息の段階的治療法

喘息の治療は、次のような状態を目標に置いています。
(1)建常人と変わらない生活と運動ができる。
(2)正常に近い肺機能を維持する。
(3)夜間や早朝の咳、呼吸困難がなく、睡眠が十分できる。
(4)喘息発作がなく、増悪しない。
(5)喘息で死亡しない。
(6)治療薬による副作用がない。
(7)非可逆的な気道リモデリングを防ぐ

これらの目標を達成するには、喘息患者の過去の経過と現在の重症度を正確に知り、それを基に生活指導と治療の計画を立てる必要があります。とくに薬物治療については最小限の薬剤で最大の効果を得られることが大切です。そのため患者の重症度を4段階に分け、それに応じて薬剤の使用方法を変えるのです。

喘息の状態をステップ1(軽症間欠型)、ステップ2(軽症持続型)、ステップ3(中等症持続型)、ステップ4(重症持続型)に分けて、そのステップ(段階)に合わせて治療を開始し、喘息症状の改善が3か月間続いたら薬剤の段階を下げ(ステップダウン)し、薬剤の投与を減らします。喘息状態が悪化し、または現在の薬剤で十分コントロールできない時は治療をステップアップ(治療強化)します。そして喘息症状とピークフロー値を参考に維持治療を決定します。

これが喘息の段階治療といわれるものです。ステップごとの薬物の使用の目安を説明します。

喘息の治療薬は大きく2種類に分けられます。一つは長期管理薬(コントロラー)と言い、喘息症状を軽減・消失させ肺機能を正常化し、その状態を維持させる薬です。これには吸入ステロイド薬、長期作用型の気管支拡張薬と抗アレルギー薬があります。

他の一つは発作治療薬(レリーバー)というもので短期間使用する経口ステロイド薬と短時間作用する気管支拡張薬です。

ステップ1は、喘息症状のある時に頓用で気管支拡張薬を吸入または経口し、低用量の吸入ステロイド薬あるいは抗アレルギー薬の連用を考えます。

ステップ2は、低用量の吸入ステロイド薬を連用し、長期作用性の気管支拡張薬抗アレルギー薬を併用します。

ステップ3は、中用量の吸入ステロイド薬を連用し、長期作用の気管支拡張薬と炎症を抑制する作用のある抗アレルギー薬(抗ロイコトリエン薬など)を併用します。さらに患者によっては抗コリン薬の吸入を行います。

ステップ4は、重症の喘息ですので高用量の吸入ステロイド薬の連用に長期作用気管支拡張薬を併用し、時に経口のステロイド薬を短期使用します。いずれのステップでも気管支拡張薬の吸入β刺激の頓用は、1日3~4回までに制限し、それ以上必要な時はステップアップします。

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