花粉症・アトピー・喘息等のアレルギー疾患を治す!

アレルギーとステロイド

ステロイドとは?

アレルギーにステロイドは必須ステロイドと聞くと、「ちょっと怖い」とか「危険な」というイメージをお持ちの人も多いと思います。しかし、ステロイドは多くの病気の治療に使われている薬で、多くの患者を助けていることも事実です。

ステロイドとは副腎皮質ホルモンと呼ばれていて、腎臓の上部にある副腎という臓器の外側の部分、皮質というところで作られるホルモンです。このホルモンのうち糖質コルチコイドという成分を化学合成したものをステロイド剤といい、内服薬・外用薬・注射薬などがあり様々な疾患の治療に用いられます。

ステロイドは普通の状態でも常に体の中で作られていて、体に対する様々なストレスに対処するなど、私たちが生きていくうえでとても重要な働きをしています。

ステロイドの作用としては、炎症を鎮める、免疫を抑制する、アレルギー症状を抑えるというような効果があります。

特にアトピー性皮膚炎喘息花粉症等のアレルギー疾患には、ステロイドが大きな効果を発揮します。

医療の現場で、ステロイドは80年以上にわたり使用されてきた薬です。現在でも、医療の現場で多くの疾患の治療に使用されていますし、市販もされています。しかし、ステロイドの使用に関しては、慎重になるべき理由もあるので、私たちはステロイドについてよく知っておく必要があるのです。

ステロイドの種類

アトピー性皮膚炎喘息花粉症等のアレルギー疾患の治療に使われるステロイドとは、臓器の副腎から分泌される副腎皮質ステロイドホルモンというホルモンのことで、副腎皮質ホルモンとも呼ばれています。

副腎皮質ステロイドホルモンには、「グルココルチコイド(糖質コルチコイド)」 「ミネラルコルチコイド(鉱質コルチコイド)」に大きく分けられます。

糖質コルチコイド

腎臓の上の方にある副腎という臓器で作られるホルモンで、炎症を抑える作用、免疫を抑える作用、血糖を上げる作用などがあります。コルチゾール、コルチコステロン、コルチゾンの3種があります。

鉱質コルチコイド(アルドステロン)

副腎で作られるホルモンで、体の中の水分や電解質の調整、血圧を上げる作用があります。

抗炎症作用免疫抑制作用があるのは糖質コルチコイドの方で、こちらがアレルギー疾患の治療に使われているステロイドです。

ステロイドのアレルギー抑制効果

ステロイドには、アレルギー反応を抑える効果もあります。アナフィラキシーと言って、食べ物などが原因で急激なアレルギー反応が起きることがあります。この場合に使われるのは、アドレナリンという薬ですが、ステロイドを併用する場合もあります。

ステロイドには、アレルギー反応を抑える即効性はありませんが、再発を防ぐ上で効果があると言われています。

また、蕁麻疹の治療でもステロイドが使用されることがあります。蕁麻疹が長期間治まらない場合や、症状が激しい場合には、ステロイドを投与して炎症を抑えます。

また、花粉症のときの目や鼻のアレルギー症状が強い場合に、ステロイドの配合された点眼薬点鼻薬を使用して、症状を緩和することがあります。

ステロイドによる治療

ステロイドはもともと人体の中にも自然に存在する副腎皮質ホルモンですが、医療の現場では薬として使用されています。

ステロイドが薬として用いられる場合には、体内の糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)の構造を真似て化学合成されたものが使用されています。化学合成されたステロイドには、デキサメタゾンやプレドニゾロンなど、使用目的に応じた多くの種類があります。

ステロイドの成分が細胞に届くと、グルココルチコイドレセプターという物質と結合します。そして、結合したステロイドが細胞の核の中に入ると遺伝子に働きかけて、リポコルチンというタンパク質を合成し、免疫を司る遺伝子の働きを抑制するので、炎症に関係するサイトカインやプロスタグランディンなどの物質の生産を抑えます。

ステロイドには、様々な剤型があります。内服薬や外用薬、注射剤など、目的や対象に応じて適切な剤型が用いられます。ステロイドを製造する製薬会社は10社以上あり、安価のジェネリック薬品も豊富です。

ドラッグストアや薬局でも、ステロイドを手に入れることができます。しかし、市販で売られているのは主にステロイド軟膏やローションなどの外用薬と点鼻薬、点眼薬です。

日本では内服用のステロイド薬は、基本的に医師の処方箋がなければ購入できません。

経口ステロイド薬について

アトピー性皮膚炎喘息花粉症等のアレルギー疾患では、基本的に経口ステロイド薬が処方されることは多くはありません。しかし、症状が重篤な場合は、内服や注射で速やかに症状の改善をはかることもあります。

経口ステロイド薬の服用は、医師の指示に基づいて、用法容量を守ることがとても大切です。

経口ステロイド薬を長い間服用していると、体内でステロイドを作っていた体の機能が低下してきます。その状態で急にステロイドを飲まなくなると体の中のステロイドの量が足りなくなって危険な状態になってしまうため、服用の効果が表れても急に飲むのをやめてはいけないのです。低下した副腎の機能を徐々に戻していくため、また薬を減らすことによって症状が現れるのを防ぐために、ステロイド薬は慎重に減らしていく必要があります。

また、ステロイド薬を服用しているときに、抜歯などの歯科治療や手術などを受けるときは必要となる体内のステロイドの量が増えます。一時的に量を増やしてやる必要があるため、ステロイド薬を処方している主治医や歯科治療や手術を担当する医師にもよく相談することが大切です。

また、経口ステロイドを長期に服用していると、副腎が萎縮するために副腎からのステロイドホルモンの分泌が低下してしまうことがあります。その状態でステロイドの服用を急に中止すると副腎機能低下症となり、低血糖やショック症状など、命に関わる症状を引き起こすことがあると言われています。

ステロイドの副作用

ステロイドの使用には、多くの副作用があることが知られています。特に経口ステロイド薬は、長期の服用、大量の服用によって副作用が重く出る傾向があると言われています。下記に、主な副作用を列挙しました。

1.感染症にかかりやすくなる…ステロイドは免疫機能を抑制する働きがありますので、ステロイドの服用中は風邪や気管支炎、肺炎などのウイルス、細菌、真菌などによる感染症のリスクが高くなります。あるデータでは、ステロイドの投与量に比例して重い感染症にかかる確率が高くなることや少量の投与でも普段の数倍感染症にかかりやすいことが報告されています。

2.動脈硬化が進む…ステロイドを服用すると脂質代謝(中性脂肪やコレステロールの合成)が促進されるので、高脂血症になり、その結果脂肪が血管に蓄積し動脈硬化(動脈が硬くなる)が進むと言われています。動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。

3.骨粗鬆症になる…ステロイドの服用者の骨折のリスクは一般の人の約2倍だと言われています。ステロイドを低量であっても服用を開始すると骨密度が急激に低下していくようです。ですから、ステロイドの量に関係なく、3か月以上ステロイドを服用する場合は、骨粗鬆を改善するための薬も同時に服用することがすすめられています。

4.糖尿病にかかりやすくなる…ステロイドを投与すると脂肪代謝が進み、高脂血症になるので、血糖値も高くなります。そのため、特に糖尿病の持病がある場合には、症状が悪化しやすくなります。またステロイドによって食欲が亢進して肥満のリスクも高くなるので、注意が必要だと言われています。

5.精神症状をきたす…ステロイドは脳の中枢神経にも影響を及ぼすので、興奮状態になったり、逆にうつ状態を引き起こしたりすることがあると言われています。

6.満月様顔貌・中心性肥満…ステロイドの作用で身体の中心部(肩や首、背中、腹部など)に脂肪が付きやすくなると言われています。また、顔にも脂肪がつくので、満月様顔貌(ムーンフェイス)という特徴的な顔つきになります。

7.その他…胃腸障害、緑内障、白内障、脱毛(ハゲ)、多毛、むくみ、月経異常などが起きることがあります。

喘息治療には吸入ステロイド薬

喘息用の吸入ステロイド薬は副作用がほとんどない喘息は、気管支の慢性的な炎症が原因となっていますので、吸入ステロイド薬を使用して、気管支の炎症を抑え、喘息発作を予防します。

内服や注射薬によるステロイドの全身投与は、副作用が強く出ると言われていますが、吸入でステロイドを使用する局所投与の場合は、気管を中心に薬が吸収されるので、副作用のリスクは少ないです。

吸入ステロイド薬の主な副作用は、嗄声(声がガラガラになる)や舌に白くカビが生えるなどで、吸入をするたびにきちんと口腔ケアをすることで予防することができます。しかし、喘息で重い発作が起きた場合には、内服薬や注射薬でステロイドの全身投与を行う場合もあります。

アトピー性皮膚炎にはステロイド外用薬

アトピー性皮膚炎で使うステロイド外用薬には強さの分類の他に、剤形の分類(主にローション、クリーム、軟膏)があります。

ステロイドの軟膏剤とクリーム剤の違いは、軟膏には水が含まれていませんが、クリームには水が含まれているということです。

①ローションは乳液状で伸びが良くべとつかず、浸透性が良いという特徴がある代わりに保護作用では他の基材に比べて劣ります。

②クリームはさらっとしていて軟膏に比べると伸ばしやすく、浸透性や保護作用は中間くらいになります。

③軟膏タイプは多少べとつきますが、他に比べて保護作用があるため一般的には皮膚科のお薬というと軟膏が処方されることが多いようです。

またステロイド外用薬は、日本皮膚科学会のガイドラインによって、その強さが5段階に分類されています。市販されているものは、レベル3以下のみです。

ステロイドの強さ

レベル1…最も強い
レベル2…非常に強い
レベル3…強い
レベル4…普通
レベル5…弱い

ステロイド外用薬の吸収率

ステロイドの外用薬は、炎症のある場所に直接塗布するので、ステロイドの内服や注射と違い重い副作用をそれほど心配しなくてもいいのですが、外用薬にも少なからず副作用がありますので注意も必要です。例えば、人の体の皮膚は、年齢やその部位によって薬の吸収率に違いがありますから、外用薬を塗る場合にはそれを考慮して種類を選ぶ必要があります。

体の部位によるステロイド吸収率の違い

頭皮…中程度
額…やや高い
頬…高い
脇…中程度
背中…低い
腕…低い
陰部…非常に高い
足の裏・足首…非常に低い

吸収率の低い部位には、比較的「強い」ステロイド外用薬を使用することができますし、吸収率の高い部位には、「弱い」ステロイド薬でも十分効果があると考えることができるかもしれません。

年齢によるステロイド吸収率

乳幼児は皮膚が薄くステロイドの吸収率が高いと言われています。ですから「弱め」のステロイド薬でも効果を期待できますので、塗りすぎないよう注意が必要でしょう。


ステロイド外用薬は、手軽に使用できる感がありますが、

やはり用法容量を守ることが大切です。薬の効果をすぐに実感できない場合などに、つい塗りすぎてしまうことがあるので、注意が必要です。

1.塗る回数
特に医師の指示がない場合は、一日に2-3回塗るのが適度な塗り方と言えるでしょう。入浴後など皮膚を清潔にしてから、皮膚の水分を十分にとってステロイド外用薬を塗布すると吸収がいいようです。

2.塗り方
ステロイドの外用剤は、薬の必要な部分にのみ塗るようにします。薬を広く伸ばし過ぎて、健康な皮膚にステロイドが付くことのないようにします。

3.塗りすぎないように、1回量の目安を決めておきます。治療が必要な範囲によっても異なりますが、チューブを押して約2cmくらい長さの量を1回分とするのが基準と言われています。

ステロイド外用薬特有の副作用

ステロイド外用薬の場合も、内服薬や注射薬と同じ副作用が起こり得ますが、局所副作用と言って、外用薬を塗布した部位を中心に起きてくる副作用が多いです。

局所副作用には、ステロイド外用薬を長期に塗布した部分の皮膚が薄くなったり、ニキビなどの発疹が出やすくなったりするといった症状があります。

また、ステロイド外用薬の長期使用で「リバウンド」と言われる症状が起きることがあります。これは、ステロイド外用薬の使用で劇的に炎症が治まったにもかかわらず、ステロイドの使用をやめた途端、症状が急激に悪化し、元の状態よりも悪くなってしまうことを指します。

これはステロイドの長期使用で、ステロイドを生産する体内の副腎機能が低下し、ステロイドの使用をやめると体が急激なステロイド不足に陥ってしまうことによるものと言われています。

このリバウンドを防止するには、医師の指示のもとに、ステロイドの量を調整していく必要があります。

アレルギー性鼻炎(花粉症)にはステロイド点鼻薬

アレルギー性鼻炎の軽症例に対しては、病型にかかわらず、第2世代抗ヒスタミン薬または、ケミカルメディエーター遊離抑制薬を第一選択とします。眠気、口渇などの副作用が無ければ、即効性のある第一世代抗ヒスタミン薬を頓用してもよいことになっています。

中等症例に対しては、くしゃみ・鼻漏型では、1)第2世代抗ヒスタミン薬、2)ケミカルメディエーター抑制薬、3) ステロイド点鼻薬のいずれか一つを選択し、必要に応じて1)または2)に3)を併用します。また、鼻閉が強い症例では、抗ロイコトリエン薬を併用します。

重症例で、くしゃみ、鼻漏が特に強い場合には、第2世代抗ヒスタミン薬にステロイド点鼻薬を併用します。特に、鼻閉が強い症例では、抗ロイコトリエン薬にステロイド点鼻薬を併用します。

アレルギー性鼻炎の鼻粘膜では炎症を引き起こす細胞が集まり、炎症性の蛋白(サイトカインなど)がたくさん合成されています。

ステロイド点鼻薬は鼻粘膜局所に直接噴霧するので少量でこの炎症を引き起こす細胞に作用して、その数を減らしたり、炎症を起こすサイトカインの産生を抑制したりする効果があります。

アレルギー性結膜炎(花粉症)にはステロイド点眼薬

アレルギー性結膜炎に処方される点眼薬には、抗アレルギー点眼薬ステロイド点眼薬があります。

抗アレルギー点眼薬は、抗ヒスタミン作用を主とするもの(ヒスタミン拮抗薬)と抗ヒスタミン作用を示さないがヒスタミンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)の遊離抑制作用を主とするもの(ケミカルメディエーター遊離抑制薬)に分類されます。

ケミカルメディエーター遊離抑制薬はすでに起こっているアレルギー反応には無効ですが、季節性アレルギー性結膜炎の場合、アレルギー反応が反復するので一定の有効性が期待できます。

一方、抗ヒスタミン作用を有するヒスタミン拮抗薬は、すでに起こっているアレルギー反応にもすばやく効果を発揮し、かゆみや充血などの症状を速やかに改善します。

アレルギー性結膜炎には、まず抗アレルギー点眼薬を第一選択薬として使用します。症状が強い場合は内服薬やステロイド点眼薬を併用することもあります。ただし、ステロイド点眼薬は副作用が起こることがあり、症状が軽くなれば中止するか点眼回数を減らすようにします。

喘息(ぜんそく)を治す

アトピー性皮膚炎を治す

花粉症を治す

アレルギー性鼻炎を治す

アレルギー性結膜炎を治す