花粉症・アトピー・喘息等のアレルギー疾患を治す!

アトピー性皮膚炎と黄色ブドウ球菌

アトピーの原因は黄色ブドウ球菌!?

黄色ブドウ球菌と言えば食中毒の原因となる菌として知られていますが、近年ではアトピー性皮膚炎の発症に深く関わっていることがわかってきました。

アトピー性皮膚炎はアレルギー性の疾患であると考えられていますが、その原因となるアレルゲンはこれまでに特定されていませんでした。

アトピー性皮膚炎患者からダニやホコリなどハウスダストに対する抗体が検出されることから、これらが原因だとも考えられていましたが、それらを支持する強い臨床的な証拠はありません。

近年の研究ではそれに対して、アトピー性皮膚炎患者の皮膚に起きる黄色ブドウ球菌の異常繁殖に目をつけたのです。

では、なぜ黄色ブドウ球菌が原因だと判明したのか、黄色ブドウ球菌を増やさないためにはどうしたら良いかなど詳しく見てみましょう。

アトピー性皮膚炎の原因が不明であった理由

アトピー性皮膚炎の原因と言うと、ダニやホコリ、食べ物など、アレルギーに関するものを思いつく人が多いと思います。確かに、アトピー性皮膚炎は、花粉症喘息やその他のアレルギーなど、アレルギーに関係する疾患と併発するケースが多いため、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患のうちの1つではないかと考えられていました。

しかし、なぜアレルギーによって皮膚炎が引き起こされるのかというのはわからないままでした。

アトピー性皮膚炎の患者を血液検査すると、強い抗体が検出されるケースが多く、ダニやホコリなどのハウスダストが大きな原因ではないかとも言われていましたが、それを裏付ける証拠もなく、アレルゲンは不明のままでした。ですので、アトピー性皮膚炎の原因は不明とされてきていたのです。

アトピーの原因は皮膚の表面の細菌

体の中からアトピー性皮膚炎の原因を探ってもよくわかりませんでしたが、皮膚表面を見てみると、皮膚に付着している細菌に変化が起きていました。

人の体は、常に無数の細菌に取り囲まれています。それらは悪さをすることもありますが、多数で存在することにより進入した病原性微生物の繁殖を抑制するなど、有用な面もあり、人と共生の関係を築いています。

しかしアトピー性皮膚炎患者の皮膚には「黄色ブドウ球菌が異常繁殖し、本来多様性を見せるはずの皮膚細菌巣を覆い尽くす」という現象が見られるのです。

黄色ブドウ球菌は人の皮膚や消化器官などに存在する常在菌です。

ですが、それと同時に感染症や食中毒などを引き起こす起因菌という一面もあり、腸内では代表的な悪玉菌として知られています。

通常、皮膚の表面には何種類もの細菌が付着していますが、健康的な肌の人は、肌のバリア機能により、細菌感染を防いでいました。

アトピー性皮膚炎の人の肌はバリア機能が衰えており、些細な刺激でも細菌感染しやすい環境となっています。

アトピー性皮膚炎の人の肌にも何種類もの細菌がいますが、症状がひどくなると、細菌の種類が通常の人よりも少なくなり、代わりに黄色ブドウ球菌が過半数を占めていることがわかりました。

しかし、黄色ブドウ球菌が増えるということは以前から知られていたものの、なぜ黄色ブドウ球菌が増えることでアトピー性皮膚炎が悪化するのかなど、アトピー性皮膚炎との関係は不明なままでした。

そこで、慶応大学医学部皮膚科学教室とアメリカのNational Institutes of Healthの永尾圭介博士とのグループ研究により、マウス実験が行われました。

アトピー性皮膚炎と黄色ブドウ球菌との関係

マウスに離乳直後から異常細菌巣に効く抗生物質で持続的な抗菌治療を行ったところ、正常な皮膚細菌巣を保ち、アトピーを発症しませんでした。

さらに研究を進め、抗菌治療を行わずアトピーを発症させたマウスと、抗菌治療を行い10週目で治療を中止したマウスを用意し、経過を観察しました。

するとアトピーを発症させたほうのマウスは抗菌治療により皮膚細菌巣が正常化し、皮膚炎もほぼ完治しました。

それに対し抗菌治療を途中で中止したマウスは、正常だった細菌巣がとたんに多様性を失いました。

そして細菌巣は黄色ブドウ球菌とコリネバクテリウム属に分類される細菌2種類に置き換わるという極端な偏りを見せ、激しい皮膚炎を発症してしまったのです。

この結果により、皮膚の細菌の分布がアトピー性皮膚炎に深い関係を持っていることが証明されました。

さらに、治療を中止したことで皮膚炎が激しくなってしまったマウスから、治療を始めて皮膚炎が一時的に治まっているマウスに細菌を接種させました。すると、接種した細菌の中でも黄色ブドウ球菌が激しい皮膚炎を誘発させました。

一方、黄色ブドウ球菌と一緒に皮膚細菌巣を支配していたC.vobisという細菌はというと、IgE抗体を上昇させて免疫反応を誘導していました。

アトピー性皮膚炎患者の血液を検査すると、強い抗体が検出される理由はC.vobisによるものということがわかりました。

この実験を行ったことでわかったことは、黄色ブドウ球菌とC.vobisにより支配され、偏ってしまった異常細菌巣を、正常な細菌巣に戻すことでアトピー性皮膚炎が治まるようになるのではないかということです。

実験では、抗生物質によって細菌巣の正常化を行っていましたが、抗生物質をとり続けてしまうと、免疫が低下したり、腸内細菌に悪影響が出たりしてしまうため、抗生物質を使うことなく異常細菌巣を正常化するというのが今後の課題になりそうです。しかし、課題をクリアすることで新しい治療法の開発に繋がるのではないでしょうか。

まだまだ月日はかかりますが、アトピー性皮膚炎の新しい治療法が確立されるかもしれないという希望が見えたのは事実です。

ステロイドや抗生物質に頼ることのない、心にも体にも優しい治療を医師の指導のもと行えるようになる未来が来るのも近いかもしれませんね。

この研究では、実験により黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎を誘発する原因だということがわかりました。2015年に入ってからわかったことであるため、治療法についてはまだまだ研究中だと思いますので、すぐに確立されることはありません。

しかし、原因がわかっただけでも、アトピー性皮膚炎の治し方を知るための多いなるヒントにはなりました。

まず、アトピー性皮膚炎の人の肌は黄色ブドウ球菌が異常繁殖しているということがわかりましたので、黄色ブドウ球菌を減らす必要があります。細菌巣を正常化することは難しいかもしれませんが、黄色ブドウ球菌を減らすことや、増やさないようにすることは決して難しくありません。

黄色ブドウ球菌を減らす方法

黄色ブドウ球菌を増やさないために大切なことは、皮膚を清潔にすることです。

黄色ブドウ球菌を殺菌し、増やさないようにするのはとても簡単です。皮膚を清潔にすればいいだけです。そのためには、きちんと石鹸を使って皮膚を洗うことです。髪、顔、体、それぞれに適した石鹸をきちんと使うようにしましょう。

現在、インターネット上ではお湯だけとか、水だけとかという、石鹸を使わない入浴法がいいという噂が広がっています。

確かに、低刺激でなおかつ必要な皮脂まで落とし過ぎないというメリットが、そのような入浴法にはありますが、お湯や水だけで汚れを落とすことはできても、殺菌するというのは難しいです。

石鹸を使用すれば、優しく泡を転がすように洗うだけでも黄色ブドウ球菌は殺菌されます。さらに、黄色ブドウ球菌以外の細菌や、ダニやホコリなどのアレルゲン物質、皮膚の汚れなど刺激となるものを落とすことも簡単です。

石鹸による肌への刺激が心配される方もいらっしゃいますが、石鹸の刺激よりも、肌に残ってしまっている汚れやアレルゲン物質、細菌などの方がアトピー性皮膚炎を悪化させる原因になりやすいのです。

ですので、アトピー性皮膚炎で大切なことは、皮膚を清潔に保つということです。

黄色ブドウ球菌は汗などが皮膚にたまると、そこで繁殖しかゆみやかぶれを引き起こしたり、怪我の傷口の周りに繁殖すると、汁をもったジュクジュク傷に変えてしまったりと、何かと面倒を引き起こします。

一度殺菌したとしても、どこからかまた皮膚の上に戻ってきてしまうでしょう。

ですので、現状で黄色ブドウ球菌を完全に排除する方法はないと考えたほうが現実的です。

家庭でできる対処方法としては、消毒薬などで一時的に黄色ブドウ球菌の数を減らす手段もありますが、肌の弱い方には消毒薬が逆に肌への刺激になってしまう場合もあり、判断が難しいかと思います。

だからこそ通常の殺菌作用のあるせっけんを使用し、肌を清潔に保ち、黄色ブドウ球菌が増えすぎないようなスキンケアをすることが大切なのです。

抗菌作用のある軟膏がアトピーに効く!

心にも体にも優しくアトピー性皮膚炎を治すなら、できれば薬には頼りたくないというのが本音だと思いますが、軟膏だけは別です。

なぜならば、かゆみを我慢できずにかきむしってしまったり、かゆみのせいで寝不足などになってしまったりする方がよっぽど心にも体にも優しくないからです。

むしろ、かきむしって悪化させてしまうと、その他の病気と合併してしまう危険性もあるので、かゆいときは無理せず軟膏を使いましょう。

そこでおすすめなのが、抗菌作用のある軟膏を使うことです。酸化亜鉛の入った軟膏やヒノキチオール軟膏がおすすめです。

酸化亜鉛の入った軟膏を使う場合は、酸化亜鉛の含有率が5%ほどのものを使いましょう。5%以下ですと黄色ブドウ球菌が皮膚へ定着するのを防げない可能性があります。

ヒノキチオール軟膏は、使用し続けることで抗菌作用が効かなくなるという耐性菌が、現時点では出現しないため比較的安全な抗菌作用を持つ軟膏とされています。ある程度の期間使い続けても問題はありませんので、かゆみが持続するタイプの人におすすめです。

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